●実技7(ファーストエイド)●

【日程】
 2002年10月20日(日)
【場所】
 川崎市市民体育館
【講師】
 中込竜男(カモの会)

 どんな気軽なハイキングでも、ひとたび山には入れば、事故、遭難の危険があります。
 なにか事故が発生したときに、あなたは冷静に適切な救急処置ができるでしょうか。
 自分が事故に遭ったとき、誰かの事故を目撃したとき。そんなときでも役に立つ、ファーストエイド講習を今回は学びました。

●写真(1)↓ レスキューパックの中身

 三角巾、滅菌ガーゼ、消毒薬、絆創膏、ミニハサミ、副子、ゴム手袋、マウスピース、ポイズンリムーバー、チョコレート、湿布薬、テーピングテープ、ストッキング、エマージェンシーブランケット(銀シート)、などなど。

<講習の内容>
1.リーダーが持つファーストエイドキットとは?
2.三角巾の使い方
   1)三角巾のたたみ方
   2)三角巾の結び方(本結び)
   3)頭部の処置
   4)耳または顎の処置
   5)鎖骨の処置
   5)膝の処置
   6)上腕部の処置
3.骨折の対応の仕方
   1)上腕部の処置
   2)下腿骨折の処置
4.捻挫の対応の仕方
   1)三角巾使用の足首捻挫処置
   2)テーピングの足首捻挫処置
5.安全な場所への移動・搬出
   1)一人の場合
   2)二人の場合
   3)三人以上の場合(ヒューマンチェーン)
   4)簡易担架の作り方
      ・ツエルト使用
      ・ザック使用
      ・ストック+テープ使用
6.止血法
   1)直接圧迫止血
   2)間接圧迫止血
7.遭難救助の体験談
   ・中込氏一ノ倉での救助を受けた体験
8.登山の疲労(登山の運動生理学百科より)
9.低体温症の説明
10.凍傷の簡単な説明


●写真(2)→ 三角巾の扱い方

 三角巾を扱う上で絶対にしてはいけないのは「地面につけること」。雑菌が入る。
 そのため、空中でうまく折り畳む必要がある。
 もちろん、汚れた衣服やザックにもなるべく触れないようする。



●写真(3)← 頭部を三角巾で固定

 頭部に怪我をしている人に手当をする。三角巾の結びはかならず「本結び(Square know)」で。結びが安定していて、なおかつほどきやすい。
 間違えて縦結び(グラニー・ノット)にならないように注意したい。
 けが人(傷病者)に処置を施すときは、相手を不安にさせないような気配りが必要。

・向かい合って処置をする。
・話しかけて励ましながら処置をする。
・銀マットや衣類などで保温をしてあげる。
・結び目や折り目は外側にして、なるべく身体を楽にしてあげる。などなど。



●写真(4)→ 肩の捻挫・脱臼に対する処置

 三角巾を2枚使って、肩に処置を施す。

 



●写真(5)← 買い物ビニール袋の利用

 みなさんおなじみの、ビニール製のコンビニ/買い物袋。これの両端をハサミで切断して腕を通すと。立派な三角巾の代わりになる。
 手近にあるものを知恵を働かせて代用するのもファーストエイドの心得。
 ほかにも、ストッキングをネット包帯の代わりに利用する、など。


●写真(6)→ ストックを副子に使う

 脚部の骨折を想定した処置。ストックを副子に使って、三角巾、テーピングテープなどで固定する。傷病者が痛がらないように、隙間にタオルなどの詰め物をするのを忘れずに。



●写真(7)← 捻挫のテーピング

 足首の捻挫を想定した処置。コツは、傷病者につま先を引っ張ってもらって、アキレス腱を伸ばした状態で、テープをしっかり貼って固定すること。


●写真(8)→ ヒューマンチェーンを使った搬送

 数人が腕を組み合って、即席担架を作り、傷病者を搬送する。ただし、人間は相当重いので、この方法で運べる距離は限られている。



●写真(9)← ツェルトによる即席担架の作成(1)

 ツェルトの一方を折り畳んで、そこに傷病者を乗せ。折り畳んだ一方を引っ張って、傷病者をツェルトの真ん中に持ってくる。(↓下に続く)


●写真(10)→ ツェルトによる即席担架の作成(2)

 ツェルトの両端を巻き込むようにして、数人でそこをつかんで持ち上げる。



●写真左(11) ザックによる簡易背負子

 ストックをたばねてタオルなどを巻き、それをザックのベルトに通して、傷病者の座り台にする。傷病者が後に反らないように、シュリンゲなどを通して固定する。
 この方法は、傷病者にも搬送者にも比較的負担が少ない。



●写真(12)→ ザックチェーンによる簡易担架

 荷物を抜いたザックを2つ向かい合わせて、お互いのベルトを通してカラビナなどで結合する。ウェストハーネスは傷病者を固定するのに便利。



●写真(13)← ストック2本を用いた簡易担架

 ストックを2本並べて、そこにテーピングテープを張ってゆき、簡易担架を作成する。
 コツは2本のストックをピンと張った状態に保つこと。
 この後、この上に銀マットなどを敷いて傷病者を乗せる。

●写真(14)→ストック2本を用いた松葉杖

 2本のストックのストラップをお互い通して結合し、末端をテーピングテープで止めて、簡易松葉杖を作る。中間部もテープで固定して、取っ手を作ると良い。ストックのストラップを結合するのにはシートベンドを使っても良い。

 ストックは、これまで見てきたように、ファーストエイドでは非常に利用範囲が広い。下山時のバランス保持のメリットもあるので、常に携帯することが望ましい。(ただし、登山道を痛めないように、ゴムキャップをするのを忘れずに)


■文責:鳥越@小田原ナーゲル


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