●実技8(冬山雪上訓練)●

【日程】
 2002年12月7日(土)〜8日(日)
【場所】
 富士山5合目富士吉田口

●写真(1) キックステップによる登下降

 斜面に靴のエッジ(角)を蹴りこんでステップ(足場)を作って上り下りをする訓練。登り降りの時は「斜面に垂直に」蹴りこむのがコツ。また、トラバースのときには、靴の側面を「少し滑らせるように」蹴りこむと深くステップを刻める。

<訓練概況>

 身震いするような寒気、猛烈な突風、腰まで埋まる雪と立ちはだかる氷の壁。。。
 そんな美しくも厳しい自然環境が待ち受ける日本の冬山に入山するためには、専門的な装備と技術の訓練が必要です。
 リーダー学校では冬山にパーティを率いて入山できるだけの技量のあるリーダー層の養成を目指し、今年も富士山5合目富士吉田口にて訓練を行いました。

 例年に比較して今年の天候は不順。富士山にしては異様に暖かく、気温は−1℃程度で、なんと7日夜には雨が降っていました。
 そのため積雪量が十分ではなく、キックステップやアイゼン登下降、対風姿勢、各種ビレイなど、歩行や確保を中心とした訓練にせざるをえず、滑落停止、スタンディング・アックス・ビレイなど、本番を想定した訓練が十分に出来ず、欲求不満の残る訓練内容だったと思います。

 しかしなんといっても山の基本は「歩き」。生徒たちはキックステップなどを十分に繰り返し練習して、そのコツは十分につかめたのではないでしょうか。
 中には初めて富士山の急斜面に接した生徒もいて、こわごわとした様子でしたが、訓練を終える頃にはかなり慣れてきたのではないでしょうか。
 今後、自分の会に戻って、訓練した内容を反芻し、立派な冬山リーダーとして成長することを講師一同、期待しています。



●写真(2)→ 続・キックステップの登下降

 漫然と足を載せただけでは、滑ってしまう。思い切り蹴りこむのがコツ。怖がって腰が引けると横方向の力が生まれて、かえって滑る。岩・沢でも同様のことが言えるが、足腰をしっかり「立てて」バランスを保持するのが基本。



●写真(3)← 急な雪面の登下降

 緊張感を感じてもらうために、アイゼン無しで、すり鉢状の急斜面の登下降を経験してもらう。
 当日の雪面状態は、2〜3cmほどの新雪が、うっすらとクラスト状に積もった状態で、非常にいやらしい。
 このような時でも、しっかりとキックステップを蹴りこめば足場が安定する。



●写真(4)→ 雪山での確保

 足場が非常に不安定な雪山では、強固なビレイポイントは望めない。そのようなとき、クライマーが万一落下したときに急に制動をかけると、ビレイヤーまで落下してしまう。
 確保器を使うよりは、写真のように肩がらみを用いた方がロープの流れを制御しやすい。

(※ 写真の例では、生徒はカラビナに通したメインロープに角度を付けすぎている。これでは摩擦が強すぎて、クライマー落下の衝撃が支点にかかりすぎてしまうだろう。この写真を参考にする時は注意して欲しい)

 



●写真(5)← 小雪混じりの中での訓練

 今回の訓練では雪がほとんど積もっていなかったので、立木などのナチュラルプロテクションを多用した。
 折りしも小雪が舞い始めて、生徒たちは冬山気象の厳しさの一端を体験することができたことと思う。
 次回の実技・谷川岳では、大量の重い湿雪という、また違った冬山の側面を体験できることだろう。

■文責:鳥越@小田原ナーゲル


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