●机上学習8・遭難対策●

【日程】2004年2月17日(火)
【場所】横浜市・県民サポートセンター
【講師】大河内彩子
(神奈川県勤労者山岳連盟遭対部長 裏山探検隊)

 


1.事故事例から学ぶ

1)10年間で遭難数は倍増
(2)遭難の原因
    (10年前)  → (昨年)
    1位 転滑落    1位 道迷い
    2位 転倒     2位 転滑落
    3位 道迷い    3位 転倒

   道迷い・・・安易な情報を鵜呑みにしている。地図が読めない。ガイド登山の増加(自分で考えない)。
   転滑落・・・加齢による基礎体力不足、トレーニング不足を気づかないで入山してしまう。
          *基礎体力不足の背景・・・車生活の増加。林道延長により車使用でウォームアップが
                       なく、いきなり登山開始(アプローチをこなさないための
                       体力不足)
   病気(4位)・・・労働環境の変化(過労)のため。中高年が高山や難ルートに入るようになったため。
(3)単独登山の死亡率は倍増
    鳥海山の遭難例 実際はヤブ山なのに地形図ではなくエアリアに頼った。最近の情報収集を怠った。
            遠方に関わらずスケジュールが一杯一杯。非常食・飲料不足。

2.遭難予防

(1)事前打ち合わせをメンバー間で綿密に行っているか
    ミーティング重視の理由・・・共通認識ができ、複数の意見により安全性が高まる。気象遭難防止。
(2)情報収集はどのようにしているか
    最近はホームページが多いが、中には古い情報もあるので現地への問い合わせは重要。
(3)十分なトレーニング
    @技術アップのためのトレーニング
A基礎体力トレーニング(コレという目標を持っている人は意識して)
B山に行くこと自体もトレーニング
(4)山行中にリーダーが気を配ること
    @体調維持管理
    Aペースの一番遅い人を基準に
    Bオーダー(歩く順番)・・・一番後ろは一番よく見える
    C荷分け配分
    Dペース管理
    E引き返すポイント・・・行動予定時間と実際の時間を比較し、これ以上突っ込むと下山遅れになると
                いう見積を立てる。

3.ケガの予防

   最近は山行中疲労が蓄積されて最後(特に下り)で怪我をすることが多い。
   疲労削減のための道具紹介
    @機能性サポーター(CW−X)・・・サイズはきつめでフィットしたものでないと効果はない
    Aキネシオテープによるテーピング
    Bインソール(足底板)の使用・・・バランス補佐
    Cダブルストック・・・使用に慣れておかないと逆に怪我をすることもあるので注意
    D入山前のストレッチ(肩・腰・手首・屈伸など)
    E下山後のクールダウン、入浴

4.遭難発生時の対応

   過去の遭難事故例から対処を学ぶこと
(1)フォーストビバーク(不時露営)
    必要装備・・・ツエルト、十分な非常食、燃料、コッヘル、マット、水を作れる装備(食料よりも水)
           緊急連絡カードなど
    セルフレスキューできる技術・・・ファーストエイド技術、搬送技術
    無線通信技術・・・相手を選ぶ(冗談と思われる可能性も)。非常通信の使用。通信中に「CQCQ」。
(2)アフターショック
    ショッキングな事故体験をすると、ストレスとしてフラッシュバックで蘇ることがある。
    対策・・・とにかく聞いてあげること。

以上