●実技講習7(冬山・雪訓)●

【日程】2003年12月6〜7日(土日)
【場所】富士山・新五合目
【行動】

12/5(金)十日市場駅22:10=(車)=24:20富士スバルライン料金所前(テン泊)
 講師・受講者20名で出発。スバルライン料金所前にてカモ雪訓隊を畏敬訪問。
 県連とカモ以外2パーティが同じように幕営していた。
 12月だというのにこの暖かさは何なんだ?

12/6(土)7:30起床9:00スバルラインゲートOPEN。
     10:50富士スバルライン五合目土産物屋から更に100m先の林道に停車。
     11:30佐藤小屋〜食事をとりながら机上講習
     16:45夕食(自炊)&宴会 22:00就寝


 スバルライン管理者の話だと昨晩五合目周辺は雪が降り、融解剤を蒔く作業の
 ため、4合目大沢までしか通行はできないが、しばらくすれば五合目まで開通
 するであろうとのこと。
 とりあえず4合目のゲートまで行く。雨(雪ではない)と風が強い。
 まだかまだかとゲート前には数珠繋がりの車の列。
 10:30ようやくゲートが開く。5合目まではほとんど雪がなかった。
 いつものように土産物屋の先の林道に入り樹林帯の下に停車。
 相変わらず小雨だが風は時折強く吹く。
 講師間で今後の対応を話し合い、佐藤小屋に素泊まりが決定。
 約15分歩いて小屋に入る。奥の座敷で机上講習を実施。天候が回復すれば
 歩行練習を行う予定であったが、午後に入って風雨が更に激しくなった。

 机上講習は、各講師が順番にテーマごとに「基礎」を話し、それに対して
 新しい技術紹介、意見や質問などを行う。内容としては
  ・雪上歩行−−−ツボ足(アイゼンなし歩行)はキックステップ、アイゼン
          歩行はフラットフッティングとよく教えられるが、どちら
          もキックステップである。
          直登り(逆ハの字、フロントポインティング)、
          斜登行(山側の足と谷側の足の使い方、ピッケルによる
              方向転換の仕方、ピッケルの向きと持ち方など)
          下り(キックステップ)
  ・滑落停止−−−滑り台のように流してから止めるやり方は一方法にすぎ
          ないし、初心者をこれに慣らせては絶対だめ。
          一番大事なことは、「滑落しない歩き方」と滑落しても
          すぐに止める「初期停止」。
          滑落停止は「労山方式」と「岳連方式」を一応紹介。
          岳連方式に加えてアイゼンの前爪で止める方式も紹介。
          (ただし、雪質によるし、うつぶせになった身体が
          起きないように注意することが肝要。現実、日曜のような
          クラスト雪斜面で岳連方式ではまず止められなかったが、
          アイゼン爪を利用した方法の方がほとんど止められた)
          いずれにしても、唯一無二、絶対的な方法はない。
          各自が検証していってほしい。
  ・耐風姿勢−−−基本姿勢である三角形の作り方。
          風の吹いてくる方向に向きをしっかり変えて行う。
          女性のように身体の軽い者が複数いればスクラム式が有効。
  ・スタカット−−スタンディングアックスビレイ作成の手順と、滑落を止めて
          から仮固定(ミュールノットまたはクローブヒッチ)して
          確保者が脱出するまでのシステム。
  ・コンテ−−−−大阪方式とヒマコン2のシステム学習。それぞれの違いを
          理解させるが、実際に止めるのは相当の熟練者でも難しい
          こと。今回これを教えた理由として、下手に本番で実施し
          ても、現実はこの技術がいかに難しいかを体感させるため。

12/7(日)5:30起床7:00各班講習に出発。車を停めた林道と佐藤小屋中間部の
     樹林帯沿いにスタカット練習をしながら登る。

     ここは林道から30mも上がれば雪が付いてはいるが、石も外に出ている。
     6合目程度まで上がり先を見るが、どうやら7合目以上に行かないと
     完全な雪斜面には届かない様子であった。ここまでスタカット4ピッチ、
     コンテで上がるが、雪を求めて佐藤小屋方向に斜面をどんどんトラバー
     ス。やや下った沢状で石の出ていない雪斜面あり。中級クラスがバシ
     バシ滑落訓練(滑落停止訓練ではなくなった?)をしている。
     滑落したらとても初級者では止められそうもないので、上部のブッシュ
     とT字型支点(雪にバイルを横向きに埋めたもの)の2カ所で支点を
     取り、トップロープ式で初期停止および滑落停止の訓練を行う。
     もちろん下部には流れ止め用のフィックスロープを張る。
     これは滑落停止訓練だけでなく、TOPロープを確保するビレイヤー
     の「制動確保」練習にもなった。流しながら摩擦で止めないと、細い
     ブッシュ(木や草のこと)や埋め込み支点はその荷重に耐えられない。
     したがってフリークライミングのようにバシッと止めるのではなく、
     斜面を落ちる人を掌の握力や肩がらみで徐々に流して止めること。
     ボディビレイをしていては確保器にかかる荷重はガシツとくるため
     やはりこの場合肩がらみ(スタンディングアックスビレイも含めて)や
     グリップビレイが楽なうえ、慣れれば初級者でもよく止まった。

以上、富士山雪情報と私の担当した初級1班の講習内容でした。



●訓練の朝・暁の富士山●

●スタンディング・アックス・ビレイ(1)●
アックス(ピッケル)のホールにシュリンゲを通し
カラビナをかけて支点とする


●スタンディング・アックス・ビレイ(2)●
アックスの上に足を乗せ、体重をかける

●スタンディング・アックス・ビレイ(3)●
カラビナにロープを通して加重を上方に分散する


●スタンディング・アックス・ビレイ(4)●
上に通したロープを肩がらみにして
フリクションを調節して確保をする

●スタンディング・アックス・ビレイ(5)●
クライマーが滑落したら急に止めずに
肩がらみのロープを徐々に体に巻き付け
フリクションをゆっくり効かせるのがコツ