●実技9(深雪訓練)●

【日程】
2005年2月26日〜27日(土日)
【場所】
谷川岳・西黒尾根

 冬季の日本海地方は世界屈指の豪雪地帯、これは大陸から吹き付ける寒気が日本海の暖流の湿気を吸い込んで、脊梁山脈にぶつかり上昇気流となって大量の降雨&降雪をもたらすためです。
 日本の冬山も北アルプス、上信越、東北の日本海側などの山域に入山するには、このような「湿った重い雪」の特徴を良く知り、経験し、それに対する備え、プランニングが必要です。
 今回のリーダー養成学校実技では、首都圏に最も近い豪雪地帯として名高い谷川岳を訓練エリアに選定し、深雪での歩行技術、雪崩の危険性判断、雪洞設営、生活技術、などを学びました。

【谷川岳西黒尾根・深雪訓練感想文】
(初級:浅原 健一)

2/26(土)
08:30登山指導センター
 ↓   ラッセル
11:30西黒尾根1000m地点
 ↓   雪洞掘り
14:45ビバーグ準備
2/26(日)
06:00起床
08:00撤退決定
 ↓   下山
09:05登山指導センター

::::::::::::::::::::::::::
深雪のトレーニングを行うために谷川岳へ向かった。
26日朝の天候判断によって当初予定されていた天神尾根から西黒尾根へと
変更された。
中級班は西黒から頂上アタックを試みる予定と聞いたが我々初級班は鉄塔付近
まで登り雪洞ビバークの予定。
登山指導センターから登り始め、目的の尾根に取り付く前にハンドテストによる
弱層判断を行う。昨晩からかなりの降雪があった様でざらめ雪の上に30cm程の
新雪が積もっていた。ハンドテストの評価は2〜3と判断。新雪表層雪崩の
可能性がある事を常に頭の隅に置いて行動。30度以上の広い斜面には近付かない
事をメンバー間で確認し登り始める。
思っていたより雪は深くなく『これではラッセル訓練にならない』と鶴田講師は言っ
ていたが
とんでもないです!十分訓練になりました。生徒3人で交代にラッセルして進む。
30m進んではすぐに交代。自分の体力の無さを痛感した。
鉄塔の200m上部地点、雪の吹きだまりで雪洞を掘る事にする。
自分は雪洞作りは初めてなので今回は一番の楽しみであったのだがそれは大きな間違
いだった。
楽しいのは最初の10分くらいで、後は重労働が延々と3時間続くだけ。
樺島講師によると『こんな硬い雪は初めて』というくらい硬く締まっていて非常に大
変だった。
次回自分で掘る時には雪が柔らかい事を祈る。
しかし掘るのは大変だったが雪洞の中は快適そのもので外の吹雪きがウソのように静
か。
キムチ鍋にお酒も進み、そうそうに就寝zzz...

翌朝、起きてみると外は大荒れ!しかも雪洞の入口が半分近く埋まっていた。
両サイドに雪のブロックで壁を作っておいたのにこの状態とは驚いた。
それくらいの吹雪きだったので講師間の判断により撤退決定。
中級班も頂上アタックを諦めて下山という情報が無線から入る。

下山開始から40分程で夏道の車道に出た。登りはあんなに大変だったのに
下り出したらあっという間だった。
ホッとしたのもつかの間、そこから胸までラッセルしなければいけない場所もあった。
昨晩の降雪は凄かったらしく場所によって吹きだまりで1m近く一晩で積もったようだ。
途中、雪屁の崩壊による雪崩の跡があった。改めて雪山の厳しさを感じた。

【谷川岳西黒尾根・深雪訓練感想文】
(中級:末吉悦子)

 中級班は西黒尾根をラッセルしながら高度を稼ぎ、1200メートル付近南東斜面斜面に雪洞を掘りました。 雪の深さは3.5メートルくらいでした。
 やはり新雪の下の雪は固く、掘るのに時間がかかりました。 6人が寝るスペースを作るのに、11時半から4時頃までかかりました。
傾斜があるところでしたから、雪を出すのには楽でした。
 入り口は1箇所にしたのですが、朝起きたら埋まっていました。50センチくらい積もった感覚でした。

 地吹雪の中、下山。トレースは消えていました。ルートファインディング、地図で確認等が悪天の中では難しいという感想を持ちました。雪もクラストしていたり、吹きだまっていたり様々で、わかんをつけていましたが、傾斜が強く、しまっていると逆に難しい感じがしました。

【谷川岳西黒尾根・深雪訓練感想文】
(中級:五十嵐文彰)

雪洞を掘ったポイントは積雪も多く、去年と同様にそんなにかからないだろうと考えていましたが、時期が去年より1ヶ月遅いのもあってか、1m以上掘り進むと「しまり雪」と「凍りかけたザラメ雪」に阻まれてスノーソー無しでは作業が進みませんでした。

プローブを刺した時は、こんなに固い雪とは考えていませんでしたが、よく考えてみると、プローブは鉛直方向に刺していました。掘る方向(水平方向)に刺してチェックすれば良かったのかもしれません。

この時期に雪洞泊にするのは実践的では無いかもしれないと思いました。半雪にするか、多少ピットを掘ってテントを張る方が良いのかなぁと考えました。この時の夜のように降雪が多いと、雪洞の方が有効とは思いますが、工作にちょっと時間がかかり過ぎのような気がします。

山行後、中級メンバー3人で、悪天の中で地図とコンパスを億劫がらずに出して確認することが重要ですね、という反省をしました。やはりザックに入れておくと、悪天の時はなかなか面倒になってしまいます。とはいえ、沢のようにヘルメットにつけても風で飛ばされそうだし、よく市販されている首掛けのマップケースは厳冬期だとばりばり割れたりするし、どういう風にするのが良いか、思案中です。

 今度の卒業山行までに対策を考えておきたいと思っています。



◆写真1:林道からいきなりラッセル◆

◆写真2:雪崩の痕(デブリ)◆

◆写真3:雪屁の崩壊◆

◆写真4:尾根道でも危険は一杯◆

◆写真5:雪洞作成開始◆

◆写真6:雪洞内部より撮影◆


◆写真7:胸までラッセル状態で記念撮影◆

◆写真7:中級班も雪洞前にて記念撮影◆