●実技4・沢登り(日帰り)●

【日程】2005年7月24日(日)
【場所】丹沢・勘七ノ沢

【講師】
入木田(みずなら山の会)
樺島(こだまの会)
大沢(川崎柴笛クラブ)
鳥越(小田原ナーゲル)

 日本の夏の山の楽しみ方といえば、3000m級のアルプス縦走も良いですが、なんといっても『沢登り』を欠かすことはできません。日本の岳人として生まれたからには、清流豊かな渓谷美を堪能し、大滝を竜の如く(とはいかないまでも)登攀して遡り、大人の水遊びを堪能したいものです。

 楽しい反面、沢は山の中で最も危険な場所のひとつであることを肝に銘じなければなりません。尾根に比べて沢という地形は常に削られて変化している場所ですし、落石の危険も伴います。特に『巻き道』は要注意です。
 そしていったん事故が起きれば、ヘリが降りられる尾根と違って、負傷者の搬出は困難を極めます。

 よって、歩き、登るだけの技術ではなく、いかに安全なプロテクションを確保するか。『防御』の技術がより求められる場所でもあります。
 よりシステマティックになってゆくクライミングの世界にあって、沢登りはいまだ原始的な、それゆえ状況に合わせた、シンプルで臨機応変な遡行技術、プロテクション技術が要求される登山形態であるといえるでしょう。



【生徒:K.A.さんの感想文】

 7/24(日)にリーダー学校沢登り実技で丹沢四十八瀬川水系『勘七ノ沢』を遡行しました。

 講師の方から良く聞かれるとおり「今年の生徒さんは意欲十分」で、ほぼ全員の参加でした。

 06:30二股を出発。
すぐにまた二股に分かれるが、ここを左に入ると勘七ノ沢、右が小草平ノ沢となる。我々は勘七へ。
 まずはF1(5M)が現われる。「勘七の核心はF1とF5で、技術的にはF1の方が難しい」とガイドブックに書いてある。つまりいきなり核心な訳ですね・・・
 見るとたいして難しそうには思えないのだけど?
実際に登ってみるとナルホド最初の1歩、2歩、3歩くらいがバランスを要して悪い。しかしそこさえ抜ければあとは楽チン。
と、と、と!!
『楽チン』などと気を抜いてはいけませんね。
沢登りは一見すると夏に楽しむ『遊び』感覚がありますが実際にはロープを必要とするバリエーションルートなので常に安全に気を配っていないと大変に危険です。自分の当面の課題は「常に自分を含めメンバー全員の安全に気を配る事」

 感想と離れてますがもう一つ。
自分もそうだったのですが、クライミングを始めて最初のうちは登る事ばかりに神経を集中していましたが、沢登りなどバリエーションをそれこそ『楽しむ』には、むしろ確保の技術を学ぶ事の方がはるかに大事だと思います。
 それはトップのビレイだけでは無く、支点作りからセカンドのビレイまで様々な技術の事です。それを早く覚える為にも、一つの滝を登り終えて、ただ休憩しながら漠然と見ているのではなく、講師の方の支点作りやビレイの方法を観察すると良いと思います。

 なんて偉そうな事をいっている私も実は今回の実技でいろいろ学ばせて貰いました。私のセカンドのビレイは【ルベルソのオートロック】を使ったやり方一辺倒でしたが、講師の方はその時状況によって【肩ガラミ】にしたり、【グリップビレイ】にしたりと、数種類のビレイを使い分けていました。
 また支点も毎回毎回スリングを使って流動分散にするのではなく、ヌンチャクを使ったりと凄くシンプルなものでした。スピードアップもクライミング技術の一つということです。
 またシンプルにする事によって携行するギア類も少なくて済むので軽量化にもなるのですね。
 入来田校長とギアを比べたら私は10倍のギアをガチャガチャぶらさげていました。なんだか恥ずかしくなりました。
 持っている道具はなるべく使いたい性質なもので、ついつい持ち過ぎてしまいます。『少ないギアで多くの技術』これも今後自分の課題にしたいです。

 肝心な沢の感想に戻りますが、F5(15M)では「やや水流よりにスタンスをとれば比較的楽に抜けれる」と、これまたガイドブックの通りに試したら、まったくその通りで問題なかったです。しかしガイドブックが無かったらあのスタンスを見つけられたか?というと自信は無いです。
 あまり頼り過ぎるのは良くないですね。これは遡行図に関しても同じ事が言えます。出来るだけ地形図から読み取るように心がけたいと思います。と思っていてもついつい遡行図だけを頼ってしまうのですが・・・・
 F5を過ぎてあとは大した事ないだろうと考えていましたが最後の源頭部の詰めが結構大変でした。あんなガレガレのルンゼはもうあまり登りたくないですね。頭大の落石の雨アラレ!!
 実はルンゼを最後まで詰めずに途中で尾根に乗ると大分楽になったらしいです。
 主観ですが遡行グレードは1級となっていますが2級のセドノ沢より悪く思えます。これもまた一概にグレードだけを信じてはイケナイと感じました。
生徒の皆さん大変にお疲れ様でした。
講師の皆様ありがとうございました。

【生徒:M.H.さんの感想文】

 なんだかんだと今年6つ目の遡行となる勘七は、10ヶ月前にF5まで登り、登った全ての滝を懸垂下降して降りてきたという思い出の沢♪(そういう企画だったので〜す♪ これもムチャムチャ面白かった!!) 
 F5から上は未体験ゾ〜ンである事、前回は今以上にザイルワークも遡行マナーもわからず叱られながら登った(情け無い〜。。でも感謝!!)など、今回は色々な意味でリベンジだ〜っ!!と、とても楽しみにしていました♪

 6:30に勘七ノ沢二股を出発し15分ほどでF1に到着(以下、時間や行動は自分の班についての事)。今回は人数が多く遡行時間が長くなりそう、ということもあって、F5までは講師がリードで登り、その後をザイルの中間で8の字を作ってビレイループにかけて登る、、というスタイルで行く事になりました。
 前回もF1の最初の取り付き、F3の最初のヘツリが悪く、難しい印象(っていうか、F3ヘツリは二度ほど失敗してボチャン♪)でしたが、前回以降クライミングの練習や沢登りの回数を重ねてきたのが良かったらしく、F1は前回ほど苦労せず登れました。といっても、途中に有る残置スリングを結構思い切り引っ張ってしまいましたが。。(いつ抜けてしまうかかわからないのに〜。バランスを取る程度に掴み、引っ張らずに騙し騙し使うのが正解〜。) 
 7:05、F2は水流から2mほど右を、皆難無く通過。
 7:35、さてF3。右から釜をへつってから登っていきたかったが、講師と話し左を登ることに。実際この人数でヘツリ大会になっちゃうと交通渋滞もひどくなり、遡行時間も大幅にタイムオーバーの可能性があったため断念〜。でも残念〜。しかし前回と違う登り方もまた楽しく、ヘツリは次回のお楽しみとして取っておくことにしました♪ 
 ここでY君のATCを使った後続者のビレイを見せてもらうことに。手際がよくとてもスムース! あ〜!クライミングは私のほうが早く始めたはずなのにこの差はなんだ〜!、、と新しいライバルが生まれてしまったわけです♪ Y君よろしくね〜♪(何を??) 
 8:10、F4二段15m(そんなには無さそう?)は、滝から少し離れた右側をフリーで登ることになり、チョットドキドキ&ワクワク〜♪でも落ちたらもちろん怪我は避けられません。慎重に登りました。ここはスタンスがしっかりしていて、三点支持がきちんと出来ていれば問題は無さそう。ただ途中が結構ヌルヌルしているので要注意です。
 9:07、F5に到着。本日の核心です! 一度は左から巻くことを検討したものの、ここは何とか登りたい!挑戦したい!!という生徒の熱意も有り、直登する事に決定〜♪ K講師がリードで登り、その後をS君、Y君ともに順調に登っていきます。特にまたもやY君!下から見ていても足裏のフリクションが凄い!外傾気味でツルッと滑りそうなところも危なげなくスピーディーに越えていく。。後で聞くと、沢靴は足底にステルスラバーを使ったもの、、との事。う〜ん、、恐るべしステルスラバー。。(ウソウソ!Y君の上手さです!)
 そしてSYさんはまだ2回目の沢(S君も!Y君も!)だというのに、核心を巻かずにノーテンで登りきり、一緒に喜び合いました♪(9:46) 
 ここで後続班を待つことにしたものの、学校以外のパーティーもやって来て後続が滝を登りきるまでに時間がかかること、雨が降る中で1時間以上待ったため身体が冷えてしまったことなどから先に行く事とし、11:05にF5を出発。 ここから先が私にとって未体験ゾ〜ンだったので、どんなことになるかあれこれ考えていましたが、想像以上に素敵でした〜♪(記録によるとさほどで無いように書かれていたため)
 F6以降はザイルを出すことも無かったため、2〜5mの滝や岩場を思い思いに越えていくのがとても面白くワクワクしました! 特にゴルジュの景観は「ミニミニジャングル♪」といった感じで思わず叫びたくなったり♪(実際には叫んでいませんが。) アドベンチャー気分を楽しみながら進んでいくうちに、みんな沢の歩きに慣れていったように思います。
 12:05、三俣の中央(右はわかりづらい!)を行くとわらじと古いテープがぶら下がっており、それをさらに進むとすぐに10m枯沢に到着。この天気のせいで水がチョロチョロと流れていました。記録では枯沢を越えてから二つ目のガレ沢を右に登っていくと花立山荘の裏に出る、、と有ったが、実際には三つ目の支沢であり(崩壊が激しいため支沢が増えた?)、わらじや古いテープ(布?)がぶら下がっていました。ここのガレ沢は落石が多くて、時々驚くような勢いで石が自分めがけて降ってくるので、当たらないように落とさないようにするのに本当に神経を使いました〜。
 12:45、無事に尾根に出て5分後に山荘に到着し、ハーネスや沢靴などを解除。ここで後続パーティーと合流し、大倉尾根を降りて終了となりました。

 おととしの11月から沢登りを始めて10本以上登ったけど、歩き方としてはまだまだだな〜、と思っています。どこを歩くのにも必要とされるバランスが今ひとつ。。もっともっと歩かなければ! また、クライミングや沢登りで要求されるザイルワークや確保技術(支点の整備、システム、ビレイについて、、)など勉強することがたくさん有ります。そんなことを、リーダー学校で新しく出来た仲間たちと一緒に学び、成長していくのが楽しみです♪ それぞれに得手不得手が有ると思いますが、お互いを補い合いながら切磋琢磨して進んでいきましょう〜! 講師の皆様、一緒に参加した生徒の皆さん、ありがとうございました&またよろしくお願いしま〜す♪ 



◆写真1◆
表丹沢・二俣より入渓


◆写真2◆
最も難しいと言われるF1を流れるように登攀する生徒



◆写真3◆
釜、へつりなど、沢の要素が凝縮されてる



◆写真4◆
緑豊かな渓谷の快適なゴーロ帯を進む


◆写真5◆
F4の下部を慎重にパスする生徒たち
水流をこわがってあまり上部をへつるのは危険
むしろ水流沿いに良いスタンスがあることが多い


◆写真6◆
勘七ノ沢のメインイベント・『ゴルジュ帯』
コンパクトだがバリエーションに富んだ渓相が魅力の沢


◆写真7◆
連続する小滝を数多くこなすことにより
自然にクライミングのセンスがついてゆく



◆写真8◆
ガレたルンゼは丹沢の沢ではおなじみ
落石を起こさないように慎重に登る
このような場所を無難にパスすることで
アルパインクライミングの登り方が身に付く



◆写真9◆
下草が現れ始めたら源頭部
稜線はもうすぐそこだ



◆写真10◆
草原を駆け上って、花立の尾根に出る
雄大な風景とともに感動の瞬間!