1.事故事例から学ぶ
(1)10年間で遭難数は倍増
(2)遭難の原因
(10年前) → (昨年)
1位 転滑落 1位 道迷い
2位 転倒 2位 転滑落
3位 道迷い 3位 転倒
道迷い・・・安易な情報を鵜呑みにしている。地図が読めない。ガイド登山の増加(自分で考えない)。
転滑落・・・加齢による基礎体力不足、トレーニング不足を気づかないで入山してしまう。
*基礎体力不足の背景・・・車生活の増加。林道延長により車使用でウォームアップが
なく、いきなり登山開始(アプローチをこなさないための
体力不足)
病気(4位)・・・労働環境の変化(過労)のため。中高年が高山や難ルートに入るようになったため。
(3)単独登山の死亡率は倍増
鳥海山の遭難例 実際はヤブ山なのに地形図ではなくエアリアに頼った。最近の情報収集を怠った。
遠方に関わらずスケジュールが一杯一杯。非常食・飲料不足。
2.遭難予防
(1)事前打ち合わせをメンバー間で綿密に行っているか
ミーティング重視の理由・・・共通認識ができ、複数の意見により安全性が高まる。気象遭難防止。
(2)情報収集はどのようにしているか
最近はホームページが多いが、中には古い情報もあるので現地への問い合わせは重要。
(3)十分なトレーニング
@技術アップのためのトレーニング
A基礎体力トレーニング(コレという目標を持っている人は意識して)
B山に行くこと自体もトレーニング
(4)山行中にリーダーが気を配ること
@体調維持管理
Aペースの一番遅い人を基準に
Bオーダー(歩く順番)・・・一番後ろは一番よく見える
C荷分け配分
Dペース管理
E引き返すポイント・・・行動予定時間と実際の時間を比較し、これ以上突っ込むと下山遅れになると
いう見積を立てる。
3.ケガの予防
最近は山行中疲労が蓄積されて最後(特に下り)で怪我をすることが多い。
疲労削減のための道具紹介
@機能性サポーター(CW−X)・・・サイズはきつめでフィットしたものでないと効果はない
Aキネシオテープによるテーピング
Bインソール(足底板)の使用・・・バランス補佐
Cダブルストック・・・使用に慣れておかないと逆に怪我をすることもあるので注意
D入山前のストレッチ(肩・腰・手首・屈伸など)
E下山後のクールダウン、入浴
4.遭難発生時の対応
過去の遭難事故例から対処を学ぶこと
(1)フォーストビバーク(不時露営)
必要装備・・・ツエルト、十分な非常食、燃料、コッヘル、マット、水を作れる装備(食料よりも水)
緊急連絡カードなど
セルフレスキューできる技術・・・ファーストエイド技術、搬送技術
無線通信技術・・・相手を選ぶ(冗談と思われる可能性も)。非常通信の使用。通信中に「CQCQ」。
(2)アフターショック
ショッキングな事故体験をすると、ストレスとしてフラッシュバックで蘇ることがある。
対策・・・とにかく聞いてあげること。
以上
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